2008年8月22日金曜日
鼻毛も金
女性はとかくに男性の身だしなみにウルサイ。かく言う私も年とともに許容範囲は広がりましたが、鼻孔から「こんにちは」しているオケケだけはどうしても我慢ができません。いったん目に入ってしまうと会話中直視をしてしまい、どんなに魅力的に話される方でも恋愛感情はおろか、友人としても距離を置いてしまいます。鼻毛露出率は国境を超えて一定数を確保。となるとそもそも男性の鼻毛は女性に比べ成長力が著しいということですよね。ひいては身だしなみに気を使う多くの男性が人目を避け、こそこそと鼻毛のお手入れをしているということ。それもそれで想像すると可笑しさがこみ上げてきて、なんか哀れな気分に。ふん、女性だって腋毛やすね毛の処理に苦戦しているのを知っているんだよとおっしゃられるかもしれませんが、私に関してはその辺りはご心配なく。黒髪の豊かさと反比例して体毛はほとんどありませんので。と、男性女性双方の怒りをかったところで…。
ペンシルベニア大学考古学人類学博物館からの帰り道、いつも通らない路地に足を踏み入れたところ「要塞」を発見。ゴロゴロとした巨石を積み上げた重々しい中世の城砦を思わせるこの建物。歴史ある町並みが美しいフィラデルフィアとはいえ、明らかに時代錯誤な異質さを漂わせています。
エントランス上部にはめ込まれた「First Troop Philadelphia City Cavalry」の看板。その下にはアメリカ合衆国の国旗と、黄色の地に戦闘用ヘルメットをあしらった旗がはためいています。門兵もおらず入り口は開け放たれているようなのでおずおずと潜入。入ってすぐの左右の壁には歴代の「CAPTAINS」の名と任期が刻まれた大理石版が掲げられ、初代キャプテンの名前の横には「1774〜1776」と。1776年はアメリカ独立宣言の年。独立戦争下に発足した軍隊の要所と推測できます。中をのぞくと木版で覆われた壁に鉄筋の梁が露になっただだっぴろい倉庫のよう。馬車でも装甲車でもなく普通の乗用車が10台近く駐車されており、一番奥の壁には段ボールが積み上げられている。それだけ。なんの緊張感もない殺風景な空気が淀んでいました。
さすがにそれ以上中に入るのは憚られたので表に戻り、写真を撮っていたところ迷彩服の中年の男性が通りかかりました。これまた緊張感のない顔で貧相な体躯は軍隊とは思えない。パシャパシャ撮っているアジア系の女性に興味は持ったものも、制止するそぶりも見せません。
「ハーイ」
「ハーイ、ねえちょと聞いてもいいかしら。この建物はいったいなに?」
「アーミーだよ」
「アーミー?でも中のぞいたけどさ、駐車場にしか見えないよ」
「倉庫として使われているのさ。アーミーだけど、でも1904年にその用途は終了してね」
「あなたここで働いているの?」
「そうそう」
「あっ私日本人ね」
「そんなとこだと思ったよ。観光客?」
「いや、住んでいるのよ。10ケ月くらい前に引っ越してきてね」
「へえ。どうフィラデルフィアは楽しい?」
「すっごく楽しい。素敵な街よね。興味深いものであふれているわ。例えばこの建物とか」
これがそんなに面白いかい?という顔で見上げ
「まあ、たいして面白くもない街さ」
「なんて表現したらいいの?こういう巨大なビルディングは。"massive"?」
「"well built"の方がいいね。一個覚えたじゃん」
「有難う」
「俺、マイク」
最後にお互い自己紹介をして握手。そして微笑み合った瞬間凍り付きました。
"Oh no! His nose hair caught my eye!! It was the same color on his head!!"
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