2008年10月8日水曜日

政治的勧誘に遭うの巻

CNNの数時間に渡る経済ニュースを見て頭が痛くなったので、トレーダージョーへ買い物へ行く事にした。(暇だからではない。これも仕事の一環)今日は卵と牛乳は買わないと。アンチョビもあるといいなあ。

あれもこれも買ってしまいエコバッグをパンパンにさせて店を出ると、そこにはCNNでしつこいほど流れていた「Bailout」(アメリカ金融システムへの政治的救済策)に反対する横断幕を掲げたテーブルが。ポールソン財務長官は嘘つきだとも。うかつにもよろよろと近づいてしまった。

声をかけてきたのは2人いた方の、風にそよぐ産毛が顔中を覆う東欧系の顔立ちのおばさん。二重瞼を濃く塗りつぶし、さらに目の下までしっかり引いたアイラインが怖いよう。

「ラルーシュ(Lyndon H. LaRouche)って知っている?昨今の"Bailout"が如何に間違っているかを訴えているのよ。いまアメリカの経済はヒドい事になっているでしょう。ヨーロッパやアジアにも飛び火して世界的な大打撃よね」

(この辺りまでは理解できる。で、ラルーシュって誰?)

「世界的に有名な政治家で経済学者よ。昨日もテレビに出ていたの。ロシアの」

(ロ、ロシア??一気に怪しさ急上昇!)

「"Bailout"なんか間違っているの。悪いお金を金融機関に渡してはダメ。ヘルスケアシステムに回すとか、他にやるべきことがあるのよ」

(そのあとはとぎれとぎれにしか分からないし、なんかうさん臭い。よしアメリカ人じゃないからって逃げよう)

「あら、あなた中国人?」

(キタッ!!違うよー。日本人だよー。いつも間違えられるんだよねー)

「日本だってアメリカの経済の影響を受けているのよ!」

(知ってるよー。影響受けまくりだよー。株価どうしてくれるのさ。今年最安値でしょう)

「So, can you make a contribution?」

(キャン ユー メイク ア コントリビューション?? 二回くらい頭の中で繰り返してしまったじゃない。寄付をしろと?ラルーシュさんに?しませんよ。第一私はアメリカ人じゃないって言っているでしょう!)

「家にDVDプレーヤーは持っている?これを見たらラルーシュの考えがすぐに分かるわ」

(DVD1枚25ドルって書いてあるよ。ぼったくりだよね。事務所でコピーして作ったんでしょうどうせ。いやいや私英語よく分からないから見ないよ)

「まあいいわ。じゃあこのパンフレットだけでも持っていって」

(一応確認するけど、このパンフはタダよね)

パンフレットだけ受け取り、帰ってきてから興味本位でラルーシュ氏についてネットで調べる。ウィキペディアを読んだだけだが「陰謀説」(conspiracy theory)とか、「反ユダヤ主義」(anti-Semite)とか、「政治カルト」とか、「マルキシズム」とか引っかかる言葉が並んでいる。U.S. Labor Partyという党を運営(1972 - 1979)して大統領になろうとしていた過去も。もちろんウィキペディアだけでは評価できないけど、まあ現時点で主流派ではないことは間違いない。

でも気になるので友人にこんな人知ってる?有名な政治家なの?とメールで聞いたところ返事が速攻返ってきた。

Ha ha, Lyndon LaRouche is not a famous politician, he is a famous crackpot. That means he is crazy.

Well, maybe that is not fair of me to say. But he has no legitimate support or real political power. He is famous for creating conspiracy theories, and many TV shows or comedic political commentaries make jokes about him. Basically, no one with any real power takes him seriously at all.

なるほど。まあ一意見に過ぎないが、そこまで政治ネタを扱うコメディー番組(この手の番組はアメリカでは多い。でも難しすぎてついていけない)でちゃかされているなら、私の勘も間違っていなかったのだろう。

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