2010年3月5日金曜日

地下鉄エンターテイナー


地下鉄に乗っていると、ギターをもった3〜4人組の浅黒い肌の男性たちが乗りこんできて、突然「コンドルは飛んでゆく」や、どこかで聞いたことのあるようなアンデスの音楽を奏で始める光景に、よく出くわします。演奏が終わると帽子をとって、車内をまわり小銭をくれと要求してきます。一駅区間で一曲披露。次の駅に着くと、隣の車両で営業するため、さっさと移動していきます。

黒人男性数人によるアカペラミニコンサートのときもありました。リズム感とハーモニーが最高。太くて響く良い声で、なかなかセクシーでした。
大学生らしき若者二人によるバイオリン二重奏もありました。 地下鉄車両は室内楽のコンサート会場に。

なんの芸もないホームレスはただ大声を上げて、いかに己が不幸かをせつせつと訴え、そのあと金をくれと空き缶を持って回ってきます。

面白いのが、いい演奏の時はそこそこ乗客が金を払うこと。ミゼラブルさが堂に入っていると、やはり小銭がもらえます。地下鉄はエンターテイナーに溢れています。

失業率の高さや、健康保険問題や、終わらない戦争や、テロの恐怖や、銃や、ネガティブな要素を挙げたらきりがない国ですが、なんだろう、生命力がありますよね。人は人、私は私、でも良い物には素直に感動する。底を流れる博愛主義がまだまだ感じられる。

何時の世だって、天災やら、疫病やら、圧政やら、戦争やら、不幸なことばっかりですよ。でもそれはそれとして、タフにかぶいていくのが、庶民のしたたかさ。

日本の男性も、尻尾の折れた精子みたいな人ばかりにならないで欲しいなあ、と思いますね。あっこれは、生命力のある人であって欲しい、という例えですよ。

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