2008年7月11日金曜日

韓国人に英語で日本語を教える

週に3回通っている英語の教室のうち、一つは韓国人の講師が担当をしています。彼女は13年のアメリカ生活を生かし、英語圏以外の国の人に英語を教える資格を、ペンシルベニア大学に通いながら取得中。ティーチングスキル向上のためボランティアで教えにきてくれています。

西海岸にずっと住んでいたためフィラデルフィアについて何も知らないというので、観光案内をしてあげ、一緒にランチを食べるなど仲良くなってきた矢先、
「日本語を勉強したいの。妹夫婦が日本にいて多少はなじみがあるし、他の言語を学ぶよりは韓国語に近いから勉強しやすいと思って。だから私に教えてよ」
と言われ、うまく断れず「そのうちね」と生半可な返事をしてありました。

それから約1週間後
「急で申し訳ないけど、明日もし時間があれば一緒にランチをしましょう」
と電話がかかってきたので、ホイホイとチャイナタウンにあるミャンマーレストランに出向いたところ、彼女はインターネットで検索した日本語教材を山のように印刷して待ち構えていました。

そして質問の嵐。レストランで注文する際の会話、テーブルを窓際に移動したいときはどう言えば良いか、味が気に食わなかったときどうクレームをつければよいのか、などもうランチを楽しむどころではありません。さすが英語講師になろうとしているだけあって実に細かいところまで突いてきます。

「ランチは美味しいです」
「ランチが美味しいです」
「ランチも美味しいです」

の違い。これを英語で説明しろと!そんなの日本語だってうまく説明できないのに。さらになぜ
「ランチを美味しいです」
とは言わないのか。そうは言わないんだもんというしかありません。

まあ「ひらがな」は読めるし、挨拶程度の日本語は知っていたので、全く1から教えるという訳ではありませんでしたが、でも逆に質問攻めでヘトヘトになりました。そして日本語ってなんて面倒な言語なんだろう、私が外国人だったら絶対にこんなややこしいものに手を付けたりしないぞという気になりましたね。尊敬語、謙譲語、丁寧語などかつて恐怖の文法の授業で学びましたが、それをさらに英語で言えって、無理です。

モノのカウントの仕方も実にややこしい。なぜ鉛筆が一本(いっぽん)、二本(にほん)、三本(さんぼん)、四本(よんほん)、五本(ごほん)、六本(ろっぽん)・・・、と同じ「本」の字なのに「ほん」だったり「ぼん」だったり「ぽん」だったりするのか。六本だけは「六本木」の地名を知っていたのですんなり覚えてくれましたが。英語はその点楽ですね。名詞の前に数詞を置き、名詞を複数形にするだけでたいてい表現できる。

そういえばまだ私が3歳か4歳だったころ、この辺りが苦手だったことを思い出しました。「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」「よっつ」「ごっつ!」と言ってしまい、何度も母親に直されたなあ。

彼女ももっと楽だと思っていたらしく、ランチを終え、お茶をしていた頃ようやく疲れた表情で解放してくれました。今回は急に誘ったから仕方なかったけど、次回はあなたも何か準備してきてねと念を押されましたが(笑)。

あっ、さすがにランチは奢ってくれましたけどね。

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