2009年8月19日水曜日

Go down the shore !


Go down (to) the beach. とか Go down (to) the shore. とフィラデルフィアの人が言う時、それはお隣のニュージャージー州アトランティックシティかオーシャンシティーのビーチへ泳ぎにいく事を指します。ハイウェイが空いていれば車で一時間ちょっと。大西洋に面した庶民的なリゾート地です。

とびきりパワフルなゲイル姉さんが休暇で帰ってきました。彼女が勤めていた英会話学校の生徒さん3人を引き連れて、彼女プロデュースのオリジナルアメリカツアーを体験させるのだと。

「Masako、私の日本語はまだまだだし、彼女たちも英語初心者なの。だからあなた通訳としてついてきなさいよ。そうしたらあなたもオーシャンシティーで一緒に遊べるし、パパの家にも泊まれるわ。あなた最近つかれているでしょう。休暇が必要よ!」

私ごときで務まるような通訳でよければ是非是非と、遠い昔に購入した水着を引っ張りだし、サマードレスにサンダルをつっかけ彼女の車に飛び乗ります。日本からお越しのお客様3名は、それはそれはキュートな20代前半のお嬢さん達でした。そうかあ、こんなに痩せているもんなんだ。こんなに髪の毛を茶色にしているんだ。まつ毛のエクステとか、今時のネイルアートはこんなに凝っているのね。美白はそうよね、しっかり守らないと。写真を取る時は必ずピースサイン。そして何を見ても
「かわいい〜♥」
なかなかフィラデルフィアでは見ない種類の生き物だったので、しばらく人形のように愛らしい彼女たちを観察してしまいました。

ゲイルの両親は6〜7年前に離婚。ビジネスを成功させた父親は恋人とニュージャージーに、母親も恋人とジョージア州に住んでいて、そして今はみんな仲良しという理想的な(?)家庭環境。今回お邪魔した、ゲイルの父親の家は昨年の冬にも行ったのですが、スイミングプールやプールバーがあり、国産車、ヨーロッパの高級車5〜6台に、ハーレーダビッドソンと、まあアメリカンドリームを形にしたらこんな感じなのではという世界。

ゲイルの父親と恋人シェリルはそれぞれ小型のヨットを所有していて、我々は分乗して水面を切り、風に髪を遊ばせながら沖へ沖へ。さあ、このあたりで泳ぎなさいと言われみんな次々に飛び込んでいくのですが、足がつかないところでは泳げない私。ちゃぽんと浸かっただけで、すぐにボートに逃げ戻ってしまいました。大西洋の真ん中。海岸線も見えず、青い空に穏やかな海。この世の楽園といった感じなのですが、でも怖い。ボートの上でのんびりとビールでも飲んでいる方がいいわ。と、惚けた顔で空を眺めていたら、ゲイルが叫びました。

「ドルフィン!! みんなボートに戻って追いかけるのよ!」

そうイルカの大群が少し先でジャンブしていたのです。キラキラと太陽の光を浴びて輝く濡れた丸い背中達。それは言葉にできないくらい美しい光景でした。5回に1回見られれば良い方だそうで、ついていたようです。私達。

その後も理想のアメリカンライフ体験、ショートカットプランはイベント盛りだくさんでした。ゲイルの父親の手によるBBQパーティーの後、夜のボードウォークと遊園地ではしゃぎ回り、翌朝は彼の運転するハーレーダビッドソンに1人1人乗せ近所を一周してくれ、その間残りの面々はシェリルの指導のもとエアガンで、吊るした空き缶の的にシューティング。さらにガレージからどんどん出してくれる、ポルシェやベンツと記念撮影。

こんな映画のようなアメリカンライフを体験したのは、私も初めてでした。日本からきた若者たちのために、あれもこれも用意してもてなしてくれた彼らに心から感謝。こんなに素敵な英会話の先生に巡り会えることは、なかなかないですよね。フィラデルフィアに戻り、市街観光とヴィクトリア・シークレットでのお買い物やディナーにつきあって私はお別れをしました。その翌日みなさんは、ゲイルのガイドのもとニューヨークを観光して日本へ帰ったそうです。

追伸
夜のボードウォークを散策中、アイスクリーム屋の前で一休み。みんなで順番に食べていた時、ゲイルの父親がぼそっとつぶやきました。
「やれやれ、昔はこうして回して楽しむものと言えばマリファナだったのに、いまやアイスクリームだぜ」
ゲイルと私は大爆笑。さすがにここは通訳しませんでした。

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