2011年9月29日木曜日

都会の鯨

意味という香りのする、時という名の魚の群は、美しい鱗を瞬かせながら冷酷なまでにす早く、わたしの肉体を通過し泳ぎ去る。

脳にかけた網を駆使して、「本当においしい」魚のみを引きずり戻そうとするが、例え無事手中に収めたとしても、咀嚼する間もなく、次なる魚群が押し寄せる。

慢性的な飢餓と胃もたれ。

魚群をかき分け水面に顔を出せば、かりそめの休息が待っている。

しかし所詮は鯨の潮吹き。再び暗く恐ろしいまでに滋養に満ちた海に戻る運命。

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