2008年6月1日日曜日
ウィリアム・ペンと洗濯バサミと割れたボタン
フィラデルフィアのど真ん中に君臨するシティーホールの頂で街を見下ろすウィリアム・ペンのブロンズ像。
このブロンズ像はモビールで有名なアレクサンダー・カルダーの祖父の作品。カルダー家3代の作品が街のあちこちに見られるという話は以前しましたが、今日はもう1人新たなアーティストをご紹介します。
シティーホールのすぐ西隣、Market St と 15th Stの交差する場所にある地下鉄の駅へと通ずるコンコースの上に、ペン様と負けないくらい存在感のある巨大な洗濯バサミのパブリックアートがあります。
これはClaes Oldenburg(クレス・オルデンバーグ) という1929年にスェーデン・ストックホルムで生まれたアーティストの作品。その名もずばり「Clothespin」(洗濯バサミ)。1976年の作品といいますからもう30年以上もここに立っている訳ですね。
彼はアメリカへ移住後、イエール大学、シカゴ美術研究所に学び、56年ニューヨークに。ポップアート作品やハプニングで知られるようになりました。「ソフト・スカルプチャー」と呼ばれる布や糸などの繊維、ゴムや脂肪などの「柔らかい」可変性ある素材で制作した彫刻や立体作品はダダやシュールレアリズムのオブジェにも見られますが、現代アートではオルデンバーグが始まりとされています。
彼の作品はおしなべて「デカイ」。
巨大な口紅やボタン、はさみ、スコップなどのカラフルでポップなオブジェが大地にぐさっと突き刺さっている光景を世界各国で見ることができます。
東京ビックサイトにも「Saw, Sawing」 というのこぎりの作品があるようです。
http://www.bigsight.jp/english/organizer/guide/artwork.html
洗濯バサミとウィリアム・ペン。
なかなかシュールな光景ですが、30年もたつとしっかり街の名物として定着している感があります。
ペンシルベニア大学構内の「Split Button」(割れたボタン/1981年)と合わせてご紹介します。
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