2008年5月30日金曜日

ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟(Richard Medical Research Laboratories )






モダニズム建築の巨匠ルイス・カーン(Louis Isadore Kahn)のデビュー作と言われる、ペンシルベニア大学リチャーズ医学研究棟(Richard Medical Research Laboratories )を見てきました。

ペンシルベニア大学は門があったり区画された土地として独立しているわけではなく、街の一部としてそのままいくつもの通りを抱え込みそして郊外へ放出する、研究棟の森のように存在します。実際の木々や自然も豊かで、落ち葉を踏みしめながら歩く学生の横でリスがぴょんぴょん跳ねていたりします。

ルイス・カーンはカリフォルニア州ラ・ホヤのソーク研究所や、テキサス州フォートワースに建つキンベル美術館が有名ですが、リチャーズ医学研究棟は建築界では彼の処女作としてその意匠が注目される建築です。

リチャーズ医学研究棟は他の研究棟となんら変わらぬ並びで、特別視されることもなくそこに立っていました。研究所として現在もそのまま使用されており、入り口の前には自転車やバイクが置かれ、窓から覗き込むとマッキントッシュのパソコンや資料の山が見えました。

「意味」という病にかかると苦しみは果てしなく続き、「理解する」という処方箋は忍耐力を要し即効性がないので、とりあえずぐるっと回って見てみることに。

前方に突き出した窓枠は黒川紀章さんのカプセルハウスを思わせます。
前述の屋上から直立する4本の巨大な直方体がやはり特徴的です。

建物内部には研究者しか入れないよう施錠されているのですが、たまたま出勤してきた方に「ついでにどうぞ」と入れていただいちゃいました。鍵を忘れた研究者の1人という程度の認識で、まさか建築好きの日本人女性とは思わなかったのでしょう。

おかげでするするっと屋上まであがって面白い写真がいっぱい撮れました。誰にも見とがめられずに帰ってこられて、大満足。
屋上には様々なダクトがむき出しで走り、その先に4本の直方体が起立。どこかの工場の屋上みたい。その無機質さが逆にぞくぞくするというのもあるのですが。

なんでしょう。こうバッハの荘厳さもなく、ショパンのようにきらびやかでもなければ、ワーグナーのように押さえがたい昂揚感に震えがくるというわけでもない。ペンシルベニア大学の自然の美しさはドビュッシーが似合うのですが、その中に1人ジョン・ケージがたたずむという感じでしょうか?
そういえばジョン・ケージも建築を学んでいたそうですね。

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